日本の「誇りの回復」 (日本出張中です)


BOP関連の動きの日本での状況にキャッチアップするため、(?)いや、仕事のため、日本に帰国しました。

勤めている会社でBOP市場に関する論文を出しました。内容としては、企業の狙いは多様でること、また多様な狙い(副産物)をきちんと獲得していくためのことを記載しています。

http://www.jri.co.jp/report/ber/detail/3984/

定期購読Onlyなのか、結構メディアの方に読んでいただいている様子です。もし個人で気になる方がいらっしゃいましたら、私までご連絡ください。

* * * *

BOP関連で日本に来てみてびっくりしたのは、メディアの方の関心が強いこと。

「槌屋さん、帰国したら日本はなんでもかんでも途上国やら新興市場だムードだから気をつけた方がいいよ」と言われていたのですが、まさにその通りです。

日本でたまに、「BPO」とおっしゃる方がいたり、日本企業がBOPビジネスに向いているんだという説にとてもこだわっていらっしゃる方がいたり、資源獲得の源としての市場戦略として語る方がいらっしゃるので面白いなあ、と思います。

もし、本当に「石油や鉱山」の資源を獲得することだけを考えるなら、BOP層の生活のケアなんてせずに、中国のようにまっすぐに目的物に向かって突き進むのが一番早いのであって、BOP市場に色気を出したり寄り道する必要はありません。

しかし、それではサステイナブルなビジネスが達成できないと思った企業のみがBOP関連で前に進むのです。

BOP市場と付き合う秘訣は、あくまで副産物としての人材との交流、育成、現地の土着の知識を得ること、そして自分たちのビジネスを見直すきっかけを作ることにあります。

自分たちのビジネスの誇りを回復するためにあるのではないのです。

ここが現在の不況の風に対して、後ろ向きな日本企業にとって、本当に難しいところだろうなと感じています。

日本人は、ものづくりの日本、というところに誇りの回復を追い求めようとします。

しかし、「ものづくり」の日本、と言いますが、無駄に高品質な技術を開発し続けている日本がものづくりな日本とは思えない事態も起きています。

サムソン、LG、中国のCherryやHyundaiといった企業が打ち出してくる技術は、現地に降り立った、本当に本質的なニーズをついてくることがある。

それができなければ、「無駄にハイスペック」な状態を続ければ売れなくなるのは当たり前です。

そして、なによりも、「ものづくり」に誇りを回復しようとしているのにもかかわらず、長期的な視野で必要となる未来を夢見る研究開発を削減してきて、かつ、短期的な研究開発に手を染める。

こうして、自らの誇りの源泉を絶ってきている。

欧州にいると、不景気や欧州プレゼンスの失墜という事態は、相当前から悩んでいることで、ある意味、失業率も慢性化してきているところ、(もちろん、今年はあまりに悪化がひどかった状況ですが)不況の風で自分たちの誇りを回復するプロセスなんて微塵も感じないところが面白いですね。

彼らは誇りなんてとうの昔に捨ててしまっているような気すらあります。

彼らはプライドも何もなく、面白いもの、次なる新しいチャンス、そして世界の新天地へ、さっそうと足を伸ばそうとする。

これを「狩猟型」と揶揄する向きもありますが、枯れた大地でいつまでも土地に対して高負荷な「農耕」をし続けて、自らの文明をたたえあおうとするよりも、「狩猟」によって外部に出かけ、進化していこうとする力の方がパワフルに見えてくるのは当たり前です。

日本の誇りを回復するためのプロセスよりも、

現地の人々が尊厳を回復するプロセスに関わることができる、

そういった「新しい誇り」を日本人も獲得したいものです。

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