「Farm:」の動きとロンドンのコミュニティ自身による再開発


先日会ったAshoka Londonの人やUKのサステイナブルデザイン関係のデザイナー達と話していた時に、面白い場所を教えてもらった。

その名もFarm: SHOP(「ファーム、コロン、ショップ」と読む。)

なんだか話を聞いていると、魚が泳いでるだの、カフェなんだけど、鶏が屋上にいて、その子たちの卵のご飯が食べられるだの、色々言っていて、「なんだなんだ?」と想像が付かなかった。しかも、水が流れていて、水槽の藻で浄化されるから、完全に「循環型」のカフェだという。その一帯には社会起業家関係のアントレプレナーが多いので、彼らと話をしてると、「よくそこでカフェ仕事するんだけど、水は流れている音は聞こえるし、コーヒーのみまくるから、おしっこに行きたくなってたまんないんだ」と爆笑していた。

そこで色々googleで検索しても出てこないので、もう一度リンクを送ってと聞いたら、こんなのが送られて来た。

Farm:   http://farmlondon.weebly.com/index.html

情報は少ないけれど、非常に面白い。色々考えさせられつつ、こういうアイデアを実現に移す人たちについて考えてみた。

イギリスで結構多いのは、「古くなったものの上に植物植えてアートにしちゃおうぜ」という動きである。このファームショップを運営している「something&son LLC」もそういうことばかりしている人たちの集まりである。ゲリラガーデニングもそうだし、Capital Growth(ロンドンでどんどん木を植えるキャンペーン)という動きもそう。植物は強い。とにかく植えればいいのだ、という考え方だ。東京では、「アスファルトが多くて木が少ないから、夏暑いんだよ」と文句を言う人は見かけるが、勝手にどんどん種を植えてしまえ、とか、どんどん育てようぜ、というゲリラ的/かつ/コミュニティ的な動きが少ない気がする。(いや、気軽に出来ないだけで、やっている人はいるのかもしれないけれど。)
ロンドンでは「次のロンドンへ」ということで、全体的にサステナビリティに関するコミュニティの活動は全面応援状態だ。多少、迷惑になることがあっても、仕方ないよね、と後ろ指はさされない。それから、木や植物というのは、一定の「コモンズ(commons)」として捉えられている感もあるし、「publicな場所というのは基本的にcommonsの一部だ」と捉えられている感もある。だから、植樹できそうな場所も沢山ある。むしろ、自分の家の庭を植樹用にcommonsに提供して解放します、という動きが、ある意味、ロンドナーとして意識が高い人、という風にも捉えられている。解放された場所は、市民農園的に地域のコミュニティに使われて行く。そういうコミュニティからのニーズが強いから成り立つという部分もあると思うが、私有と公有、共有の境目が、意外と曖昧な瞬間が多く見られるのがロンドンの面白いところである。

で、話はそれてしまったのだが、ファームカフェ。まだ行ってみたことがないので、6月中に遊びに行く予定。

このプロジェクトはhackneyと呼ばれるロンドンの中でも最貧層/移民層が住んでいる地域で、Ashokaもそういうところにオフィスを構えているらしい。こういう点は、高く評価したい。こういうのこそ、ローカライズというものである。

この日、会ったashokaのスタッフのCは「あたし、仕事はハックニー、家もハックニー、プロジェクトもみーんなハックニーで、ほとんどハックニーを出ないわよ!がはは!」と笑っていた。ハックニーの学校プロジェクトをしていて、子どもたちにクリエイティブな発想を与えるための色々な教育を提供しているらしい。そういうプロジェクトをAshokaが自分達で、コミュニティをサポートしながらやっていく、という形はとてもいい、と思った。

で、農園の話に戻ろう。ハックニーには有名な「 City Farm」があり、金融街のバンクを一望できる場所(といってもハックニーだが)に、農園があり、解放されている。ここで、上にあげた、Capital Growthなどのトレーニングコース(一般市民が参加する植物の育て方講座)も実施されている。

ロンドンは都市開発を必要としている。再開発というよりも、新しく生まれ変わるために。
ハックニーは今オリンピックの施設建設が進行している地域にも近いのだが、ハードインフラの再開発ではなく、このコミュニティ側からの再開発の意識が強いのも、素晴らしいことだ。中には沢山問題もあるだろうが、住民からの熱意・行動(そして、もしかしたら多少の今までに対する怒りもあるだろう)が、きちんと結実している。そして、それを柔軟にロンドン市が受け入れ、サポートしている。この動きというのは素晴らしい。

ボリス(ロンドン市長)さんは、「ボリス・バイク」と名前がついてしまった政策、自転車でみんな通勤しようぜ計画を打ち立てた人で有名で、本当に面白い。(自分をパロディ化したコミックで自転車通勤を推進するという面白いことをやって、それ以来、ロンドン中に駐輪している市民が使えるバイクは「ボリス・バイク」と呼ばれている。実際彼も自転車通勤をしているらしい。)
彼や現在ロンドン市の運営に関わっているブレインたちは、柔軟にコミュニティをどう生かし、そこから湧き出てくる潜在性をどう活用するかを、よーく分かっているなあ、と思います。そして、そういう学問やそういう研究も、深く進んでいるのがこの国だから、ということもあるかもしれないが。(日本だと市民社会論やコミュニティ論、アソシエーション論は、「左」のお墨付きをいただいていて、アカデミックではなかなかビジネスとは結合しないのが基本。最近は変わって来ているかもしれませんが。)

ロンドンは代々、市長は シティ・ユニバーシティの学長も兼任するのだが、基本的にはこの大学は金融街で将来的に働く人たちが行くビジネススクールのようなプラクティカルな大学である。こうしたビジネスと公共、ビジネスとコミュニティに関する知識が蓄積されて、かつ、実践に移すことができるという仕組み。こうしたところから、面白いイノベーションが沢山生まれて来て、それを柔軟に実施するロンドン。そして、それをクールだと思うリーダーシップ層が多いというロンドン。もちろん、最初からその循環がデザインされていたわけではないだろうが、少しずつその努力が行われて来たし、そういった大きなデザインが必要であるということを理解するブレインたちがいるからこそ、実現しているのだろう。

そして、こういう動きを作り出そうとするリーダーシップ。シティの金融街で働く人たちにも、こうしたものをイノベーティブだと考えて支持し、クールだと思う、というマインドセット。(もちろん、そうではない人は山のようにいますが、基本的には一定のクラスの人たちはこうした公的な貢献をクールだと考えていると思います。)

こういうユニークなリーダーシップのあり方が、日本の東京都知事にも必要だと私は思っているんですが、現在だと駄目ですね・・・。

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