世界を旅する。人間らしく。Travel like a human…. Live like a human

Bed and Breakfast.

B&Bって日本では民宿でしょうか。

世界中を転々しながら仕事をし、色々な都市にちょこちょこ腰掛けて仕事をするノマド研究者にとって、とても興味深いサービスを発見したので、今日はご紹介。

その名も Air BnB (http://www.airbnb.com/)

来月行くカンファレンスの公式宿泊施設として紹介されており、(笑)米国ベイエリアの起業家連中からのお墨付きをもらっているサービスです。

 

自分の家の空いている部屋を世界中の人にBed and Breakfastとして提供する。

自分が旅人であれば、いろんな人の部屋を旅する。

そんな夢が実現するサービス。うちのパートナーが数年前日本でシェアハウスのビジネスをやっていたのですが、シェアハウスやノマド的な仕事の仕方を、イノベーティブな旅人的にできたら、と、そんなことをぼーっと夢想していたら、ほんの数クリックで可能にしてくれたサービスです。

 

同じようなことを夢想する人が沢山いるんだなあ、と、笑みがこぼれてやみません。

 

以前、似たようなサービスで、Couch Surfingというのがありました。

「自分の家のカウチを、世界中の旅人と交換する」

このAir BnBはカウチを卒業した人におすすめです。バックパッカーではないんだけど、通常のホテルには泊まりたくない。(仕事がある、とか、勉強がある、とか、もっと落ち着きたい人向け)だけど、地元の人と触れ合いたいし、その土地の普通の人の生活を感じたい。でも、バックパッカーは疲れるからユースホステルには泊まりたくない。そんな感じの人にはおすすめです。中には、完全にホテルと変わらないじゃない!というようなものもあるので、選び方次第ですね。

 

その家のホストがどんな人かしっかり分かること、どういう仕事をしていて、どんな話を夜一緒にできるか、どういう人が今まで泊まったか、どういうハウスルールがあるか、などが分かります。家主の趣味、好きなものなども分かります。また家によっては家主は一緒に住んでいない場合もあるので、その時はその家を独り占め、つまりウィークリーマンション的に使うこともできる。信頼と、効率の良いシェアの発想で成り立っているこのサービス、とてもスマートだと思います。

 

ロンドンにいる友達などには絶賛おすすめをしながら歩いているのですが、今度、このサービスを本格的に使おうと思っています。下手なホテルに泊まるよりも安全だと思います。それに、なによりも部屋のコンディションがホテルよりはるかに良さそうです。

 

そして、ロンドンのわが家にゲストハウスが1室、ひっそりとしているので、それを登録するかもしれません。

ロンドンで登録すると、プロのカメラマンが来てくれるそうで、来週、撮影をすることになりました。こういうサービスが無料であるということが、ビジネスモデルとしても面白く、この会社、なかなかやるなあーと、このイノベーティブな発想にわくわくさせられています。

 

最近、こうした「ソーシャルメディア」のコアの発想を、リアルの世界で実現するようなシステムを作り出す、スマートな会社が増えて来ていて、面白いなあーと見つけては使ってみて、楽しんでいます。

 

最後に、この会社を設立したアイデアマンのプレゼンテーションを。最初の30分で、ささっと作ってしまった、というエピソードは面白いですよ!

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BOP innovation labを少しずつ刷新

色々な節目にBOPイノベーションラボもさしかかっていて、現在、その内容を整理しつつあります。

高野さんはじめ、BOPラボin Dialogueやブログ情報収集隊を結成してもらっていて、その情報へのアクセスが多いのも事実。
一方で、ケニアでのプロジェクトのアップデートも気になるところで、これもドキュメントを作らねば、と焦りつつ、日々、ケニア側とのコミュニケーションに追われる始末。

例えば、ケニアで今年1月から、フランシスという18歳の青年を雇っている。
彼の高校学費(学費が払えないことが原因で何度も中退を余儀なくされていた)を支払うことを条件に、彼には土日に働いてもらう。基本的には土曜のみ。(日曜はミサがあるから)

この5月には振込が遅れていて(どうもバンクシステムがうまくいかず、たどり着かなかった・・・)とうとう最後の手段で、western Unionで送金。最初からこれにすればよかった。

昨日、フランシスから電話が来て、「第2タームの振込み、ありがとう!」と嬉しそうに学校に向かっている。
本当に良かった!

彼も学校に行けるし、これからラボも大きく活動していくことで、彼に沢山仕事をしてもらわねばならない。

そんなこんなで、少しずつマイナーチェンジをラボにしていく予定です。

http://boplabjp.ning.com

やっぱり、どうしても、言いたい・・・ 技術偏重は心配だ・・・

昨日、自分の会社でBOPのセミナーを開催した。約2年ぶり。会場にいらしてくださった方々、本当に有難うございました。

昔に比べると自分たちの知識も経験もようやく少しマシになったな、という感じだけれど、特に経験値が増したのはよかった。

弊社のディレクターが「前職含め7-8年の研究活動」と言ってくれたこともうれしかったが、そんなに長くなるのか、そういえば・・・と思った。(なんだか、一つのことしかしていないなあ・・・)

時間が短くて、言葉としては漏れていたことも沢山あった。なので、会場にいらした方などどんどんフィードバックをいただければ、追加情報や個別・具体的な情報は後ほど沢山お話ができると思います。

昨日のセミナーでも述べたのだが、実はここ半年、かなり気になっている動きがある・・・

まだ黙っていようと思ったのだが、やっぱり昨日のセミナーでスライドにして言ってしまった・・・

(会社のメンバーは、「思ってるなら言っちゃえ言っちゃえ」といってた笑)

まず、BOPに関する誤解、それから、技術偏重に対する懸念。この二つは今の動きの中で要注意してみている。

特に技術イノベーションの件。技術イノベーションへの過度な期待は、本当に机上の空論で終わる怖さがある。だから、気をつけたい。

さらに私が警戒している理由は、アメリカから出てくるBOPの議論の影響をもろに受けている感があり、現場ではそこまで聞かれないストーリーだからだ。つまり、世界的にみると地域限定的なディスカッションなのだが、日本に来ると大盛り上がりになってしまう。もっと全体で議論しないといけない。

私は技術も確かに面白いが、組織やヒトが変わることのポテンシャルの方が高いと思っていて、そちらが面白いと思っている。

そんなことも踏まえて、昨日のセミナーでは淡々と思っていることをお話した。

さて、数週間前にドラフトボックスに放り込んでおいた、ブログ記事を、この際、アップしようと思う。

懸念を感じ始めて・・・

半年くらい前からずっと気になっていたのが、BOPビジネスを語る潮流の中でテクノロジー重視の傾向がどんどん強まっている。

私もテクノロジーを信じていないわけではないし、「世界を変えるデザイン」も高野さん(英治出版)と、日本の人たちはものづくりが好きだから、多分アピーリングだろう、ということで最初の導入編として編集した。それに、槌屋さんが最初に技術の話を持ち込んだんでしょう、と言われることも少なくない。

技術の話からBOPを語るのは、ドラえもんを語るように未来があって、希望があって、わくわくするものだ。魅了することこの上なく、尽きない妄想が広がる。今まで不可能だと思ってあきらめてきたことに、一筋の希望の光を与えるのが、技術とBOPの話が交差する地点だった。

特にイノベーションとしてBOPの課題を捉える活動を新たにつかみ直すこと、これに光があると思っていた。

つまり今までは「貧困解決」とか「新自由主義反対」といった言葉で語られてきた草の根の活動の多くが、一部の人たちだけの心の吐露や拠り所になるのではなく、多くの人々が共感し、自分たちに「できること」を考え始めるきっかけを与える・・・。遠いアフリカの大地の話ではなく、近く自分の身の回りにおこることと水平に並べて考えることができるようになる・・・。

そういう光があると思っていた。なぜなら、その光こそが多くの社会運動の中で何度も繰り返し繰り返し、失敗してきたことだったからだ。ファンドレイジングやキャンペーンをやる度に、何度「日本人が、あなたができること」を意識しただろう。市民に貧困という言葉の意味を分かってもらうために、何度「遠いアフリカの話ではなくて、これは社会構造の話であり、あなたと繋がっている」と話しただろう。

でも、言葉で話しても、実現されたプロジェクトや物を見せられた時の方が衝撃が大きい。

だから、プロダクトから入ろう、そう決めたのだった。(そりゃ、失敗だったかな、と思うこともありますよ・・・笑)

技術讃歌ではない、人を中心に考えること、とは何か?

だが、「世界を変えるデザイン」の本質は、テクノロジー賛歌ではなかった。むしろ、テクノロジーを支える人たちの人間くささと、現地の人たちと積み重ねるトレーニングと対話、自分達の教育を見直し、現地で行われる教育を見直し、知識について考え直し、思考を繰り返す地道な努力、それを描いていた。

テクノロジーは決して途上国や被災地の人々の問題を一気に解決するようなミラクルソリューションを提供するのではない。テクノロジーを導入することで貧困は減らない。テクノロジーを使う人々の知恵と心と道徳と。人が使うことによって、人がそのテクノロジーを生み出す過程で活き活きとすることによって、初めて貧困は減るのだと思う。つまり、プロセスが貧困削減に役立つのであり、プロダクトは最終的なソリューションではない。

彼らが植物を育てたり、自分達の家を直したり、水を運べるようになったりする過程で、色々悩み、色々試行錯誤する。そのプロセスを一緒に忍耐強く行っていくことが、今まで無かった取り組みだと思っていた。それがイノベーションを生み出すプロセスである。

新しいテクノロジーを新しい地域に導入すること自体は「イノベーティブ」ではない。

本当のイノベーションは技術でなく、そのプロセスにある

今の技術にもとづいた言説を見れば分かるように、多くのBOP向けに利用されている技術が「古い技術」「枯れた技術」「眠っている技術」と表現されており(実際のところ古くもなく、眠ってもいなくて、枯れてもいない・・・この表現は全て富裕層マーケット(TOP)におけるポジションしか表していない)、そして、その多くが新しい組み合わせを作り出すことで再利用され、再加工され、新しい価値を生み出しているだけだ。

マイクロファイナンス×モバイルペイメントも、新しいかけ算の方程式をみつけただけだ。

組み合わせは新しいかもしれないが、技術自体にイノベーションは起きていない。

組み合わせを刷新するために求められたものは、二つのかけ算項目の間を調整する力であり、一つではなく複数で作り上げる過程である。つまり、新しい組み合わせを作り出すために必要なプロセス、がイノベーティブであり、人を活性化させるのだ。

ここではっきり言おう。テクノロジーでは貧困は解決しない。

貧困は人が作り出したもの。人の手で解決させるのである。

人の手が加わり変わって行くのはプロセスである。

プロセスに注力すべきだ。人が育ち、人がつながり、人が言葉を発する。そのプロセスだ。

危機感を抱かせる国際的な動き

なぜこんなにも危機感を覚えながら警鐘を鳴り響かせているかというと、ここ数ヶ月で様々な動きが一気に動き出し、その裏側の様子が見えてきたからだ。陰謀とかそういった意味ではないのだが、全ての動きが一つの円で結びつきを持って、私の目の前にたち現れてきた。ミッシングリンクが繋がってきた。

アメリカと欧州で今にわかに話題になっているのが、開発援助機関(アメリカのUSAIDとイギリスのDFID)の両方で技術指向のファンドが設立されたことだ。この動きは1年以上前からずっと始まっていて、各開発援助機関の中でむくむくと動きだしていたのだが、アメリカにおいて、ここまで技術とビジネスの見事な融合が支持される形になろうとは想像していなかった。

追い討ちをかけるように入ってきた噂話。バンキモン氏がビルゲイツ等の「成功者であり、最高額の寄付をしているフィランソロピスト」たちを「貧困削減のSuper Heroes」という名において、UNのアドバイザーにしたこと。これがUSAIDや他の援助機関にも影響しているという噂も耳に挟むことが多くなった。これによって、「ビジネス界で成功した人たち」の主導によって、技術オリエンテッドな援助プロジェクトにはグラント(無償援助金)がつきやすくなる、という動きが起こっている、らしい。噂レベルの話だが・・・。(※もともとよく日本のODAは技術ばっかりで、日本企業の技術が優位にたつものだから、と現地や外国の援助機関からは批判されていたものだが・・・)

本当かどうか知らないし、これは、ここ数ヶ月表面化してきたことなので、単なる短期的なトレンドかもしれない。

だけど、そういう噂話が出ること自体、何かの表れだな、と少し危惧している。

美しい言葉の背景には思惑がある

さて、うって変わって、今度は会社が開発課題に対して打ち出すCSRやBOPに関連したスローガンの裏側について考える話。ここにも閉塞的な雰囲気が流れ始めている。数年前の自由闊達な空気が自粛気味だ。

「企業が開発援助においてできること」を問うセミナーやディスカッションはアメリカでもイギリスでも多数行われているが、その多くは、「プロダクト」と「雇用」が最高の貢献だということで終始してしまっている。「企業ができる最大の社会貢献は、プロダクトと雇用!」というスローガンやCSR担当部長の言葉に大絶賛の賛辞がのべられ、リーダーシップがあるとかなんとか言って、大喝采がおこる。

ほんとにこれがリーダーシップなのか??

ここまでシンプル化されて安易なディスカッションに終始するのは、企業はそれ以上のリスクをとりたくないことの現れかもしれない。もしくは、それを言外に言ってのけ、そしてそれ以上やってくるアプローチから自分たちを守るためかもしれない。私は、何度も美しい言葉とリスクヘッジをしているこうした企業の担当者のところへ行って話をきいたことがあるが、新しいアイデアを受け入れる要素は非常に少なかった。「そういう考え方もあるよね。でもうちは違うから。」「でも、あの言葉の意味はそういう意味にもとれますよ?」「あれは、僕たち自身の定義でね・・・」と抽象的な言葉がならぶ説明がはじまる。

最近のアメリカと欧州の多国籍企業のスタンスを見ていると、なぜもっと突っ込んで正直に話さないのか見ていてもどかしいくらいだ。そして、皆その美しい言葉で満足してしまっているのだ。

日本の会社の中には、自分の会社が「陰徳」を積んでいるかどうかを自虐的なまでに何度も問い直す会社もあるのに対して、(もちろんそうではない会社も多々あるが)欧米企業の多くが、安易に自分達の貢献を美しい表現に言い換えてみて自己完結している姿は、時々見ていてイライラすることさえある。

それがこの1年間、欧米に拠点をおきながら多国籍企業を見てきた、正直な感想だ。多くのCSR関係者やSRIアナリスト達が同じ思いを持っているかもしれない。

BOP関連の海外のコンサルタントとともよく話が合うので連携するのだが、彼らも「最近は、みんなネスレ、ダノン、マイクロソフト、DSMとか決まりきっているでしょう?他にチャレンジしようとする気がないんだよ。つまらないよね。仕事をしていても、大体、あ、あの会社のあのプロジェクトね、ってしってることばかり。」

つまり、もうブランドの一つとしてBOPなんて捉えられているから、既に確立されたブランド領域に改めて参入してくる会社の方が少なくなってきたということか。

結局、この論の行き着くところは、途上国と企業の新しい関係性を模索するような、度量のある試みが行われずに終わってしまい、小さくまとまってしまう。

上に延べたような大手企業で先進的な企業以外の、他の企業たちの落ち着きどころは、PPP(Private Public Partnership)という名の下に、現地政府とMOUを結び、企業が最大に貢献できる「プロダクト」と「雇用」を提供する。つまり、企業が生産工場を置き、商品を売る、ということである。(これならリスクをとらずにできるし、上層部にも最新トレンドのBOP事業にも足をのばしてやってます、といいつつも、他事業部から白い目でみられずに済むからだ。それなら無理してやらなくていいのに・・・。本当に、何度も言うが、「全ての企業がBOPビジネスをする必要なんて全然ないのだ!)

そして、それを無償で支援するグラントファンドができつつある。最高のプロダクトをNGOや現地政府に売りつけることもある。この無償グラントのおかげで補助金ビジネスになってしまった商品が、途上国市場を跋扈し、そのおかげで市場が破壊される可能性も十分高い。

(これはOLPCのネグロポンテ氏がIntelのやり方を批判した時にも同じことを言っていた。結局OLPCのプロジェクトは現地で補助金ビジネス化したIntelの格安無償配布PCに勝てなかった。自由競争は行われなかった。そして、この間もCSR Europeにて出会ったIntelの担当者と話した時も、やはり彼らは自分達のプログラムは、「現地政府が呼んでくれた土地にしかいかない」とはっきり言い切った。つまり補助金やそれに近いコスト削減のお膳立てが無い限り、絶対に自分達の商品をディストリビューションしようとは思っていないのだ。)

Beyond the line ーその先を超えて行くリーダーシップはどこに?

実はUSAIDやDFIDの考えていたファンドはもっともっとイノベーティブで面白いはずだった。(当初、取材する機会も色々あり、話を聞きに行った時はエキサイティングなムードに包まれていた)だが、当初のアイデアや検討のプロセスの中で投げ込まれた沢山のアイデアは、お互いにその良さを相殺しあい、つまらない淡白なものが出来上がってしまったように思う。結局現在では国連のスーパーアドバイザーになったビルゲイツが親指をたてて Good job! Well Done! とほめてくれるようなファンド構想に落ち着いてしまったような気もする。

これは世界各国で起こっていることで、USAIDやDFIDだけに限ったことではない。それに、開発援助側にずっといた方は特に「いまさら何を言っているの、今までの法則と何も変わらないじゃない。(今までだって企業誘致のために開発援助は何度だって利用されてきたでしょう、考え方が甘すぎるよ)」というだろう。それに、ビジネス側にいる人たちは、「それのどこが悪いの、プロダクトと雇用がなければ経済発展はしないでしょう(大体、我々があの国の発展をひっぱってきたんだし・・・)」というだろう。

私も、この意見には、これ以上賛同できないくらい賛同している。こうしたスタート資金がなければ、プロジェクトの多くははじまらないし、こういったファンドやテクノロジー導入を支援する基金が存在しなければ、NGOや現地の市民社会はいつまでたっても、本当にビジネスに繋がる機会を手にすることができない。

いくらコミュニティが成長して、キャパシティビルディングをきちんと形成できたとしても、それがマーケットに繋がる道筋を持たなければ、停滞期/プラトーにはいる。それは事実であり、だからこそ、私も仕事ではマーケットとコミュニティを繋ぐ仕事をしている。

それでも、「でも、でも」とクチにだして言う私の懸念は、このあまりにシンプル化された議論にはミッシングポイントが多いということだ。

確かに、「プロダクト」と「雇用」の生み出すインパクトは大きい。なくてはならない。

だが、「企業が開発援助においてできること」は決して「プロダクト」と「雇用」だけではない。企業はもっともっと出来るはずだ。自分たちでひいてしまった、限界線を超えて。人を育てることやコミュニティと対話すること、ビジネスのプロセスを変えながら適合していくことや、ローカルの知恵を再認識して技術に取り入れていくこともできる。自分たちの今まで作り上げたものを見直し、否定し、受け入れ、反省し、更に前に進んで変わって行くための勇気を持つことだってできる。社内の人材を活性化することもできるし、現地政府に1企業としてロビーイングを行い透明性を求めることもできる。ソーシャルミッションを持った人たちが広がるようなカタリストになることもできる。

そこに境界線はないのだ。誰も、定義なんてしていない。

企業はもっとできるのだ。今見えている自分達が勝手にひいたラインを超えて、さらに先に行けるはずなのだ。

(この3週間で何度色んな人に言って、叫んで歩いただろう。“Business can do more! They will notice that we can do more beyond this line!”)

それが本当に、BOPビジネスが企業にとって意味するものであり、BOPビジネスがもたらしてくれる「イノベーション」の意味するところだと、私は勝手に思っているのだが。

これは私の勝手な希望でしかないのだろうか?

この論考を書くにあたって、正直なところ勇気がいった。なぜなら、多くの心ある人たちを批判してしまうことになるかもしれないと思ったからだ。でも、これは批判ではなくて、私自身の反省でもあるし、そして、やはり、と見直す機会なのだと思っている。

この文章を書く前に相談したら、書き方を工夫すれば、皆わかってくれるんじゃないかしら、とアドバイスをくれた友人に、本当に感謝している。そして、考え続けて、結局数週間お蔵入りだったのだけど・・・。笑

にしても、まだ頭が整理されていないのか、文章が変ですかね。ライブ感を楽しんでいただけるとありがたいです。(いい意味で・・・笑)

さまざまなフィードバックをお待ちしています。

「日本」と「BoP」

来週頭より日本に一時帰国。気が付いたら、前回のブログ投稿より1カ月も経過しており、放置っぷりに驚いてしまった。すみません。

2月の活動はBoP以外の仕事もあり、ばたばたしていたのですが、何よりも、沢山の各国のBoP研究者とも連絡を取り合い、新しく知り合うことができ、新しいBoPの考え方や深淵に再び触れることができた1カ月。

なんというか、BOPビジネスにまつわる思想には、様々なものがありますがいっしょくたにおしなべることができず、それぞれに機微というか、思想のヒダがあり、そのヒダを辿っていく緻密な作業をすると、最終的に面白い思想にたどり着くことができ、さらにインスパイアされる。

昨今、日本でもビジネスモデル事例の研究が多くなってきたので、そのあたりは他にもっと得意な皆さんにお任せすることにして、最近はそのヒダに関心を持って掘り下げているところです。

以前、Twitterにも書いたのですが、昨年末から今年1月にかけて事例の整理をしていたのですが、イノベーティブな事例って減ったんです。技術面やエンパワメント手法、マイクロフランチャイズ手法なども2006年から2008年に出てきた手法がやっぱりBOP2.0と言われただけあり、非常にイノベーティブだった。

最近のは少しプラトー(停滞)の状態にあり、事例を深堀することの方が重要になってきています。

そして、事例の深堀には思想が必要になる。

そして、ヒダをたどっていくと、様々なイノベーションがまた起こっていることを知る。

こういうことの繰り返しですね。

さて、日本に帰国するので、日本とBOPについて考えなければならないと思って数週間考えていたのですが、年始のNHKの番組でも一言申し上げていたのですが、「日本企業」という括り自体がもう古いのではないか、と思うのです。

「日本企業」ってなんだろう?と海外にいると思うのです。

フランス企業とかイギリス企業とかアメリカ企業とかで区切ることってあまりないですね… あくまで企業は固有名詞で語るものとして定着してきつつあり、そこに国籍や登記した国の性質などが冠としてつくのだろうか、と思うことがあります。

「日本」という括りを持つ限り、自然とその括りからくる制約条件から自らの頭を抜け出させることができていないのが、「日本企業」という言葉の魔力です。

こだわる必要のない冠は捨ててしまい、固有名詞として世界と対峙する。こういう企業が日本にも増えることを祈るばかりです。

いや、もう既に多国籍にビジネスを展開している企業や海外部署にいらっしゃる方々は、既にその態度を持っていらっしゃるので、いまさら何を言っているの、という感じはありますが…。

日本にいて、日本からしか日本企業を見ていない立場にいると、「日本企業」という言葉が意味する言葉に期待を持ってしまうのかもしれません。

そして、固有名詞の存在になって初めて、BOP市場で、その企業が「自社がすべきこと」を見つけ出すことができるのだと思います。

「日本」と「BOP」という言葉を考えた時、出てくるのは『「日本」の変化が迫られている』という言葉でした。

それは定義かもしれませんし、「日本」に住み概念を構築してきた日本人と呼ばれている人間たちが、自分たちの住み方を見直し、ビジネスの仕方を見直し、刷新する必要性だと思うのです。正直なところ、それ以外に思いつかなかったのです。

「相手を変えるには、自分自身が変わらなければならない。」

それが、世界を変えるにしても然り。

走り書きですが、旅の途中からお送りしました。

NHKに出演してきました  経済ワイドビジョンe BOPビジネス

さきほどこちらの番組でBOPビジネスについて語ってきました。

http://www.nhk.or.jp/visione/archives/2009/0109/index.html

基本的に前半は「収益性を求める市場戦略」的な位置づけの入り方だったのですが、実は番組制作の段階からプロデューサーやディレクターの方とお話していたため、私がお話するパーツでは、収益性だけを求めるのではない、とう点や、女性のエンパワメントや現地の収益向上の重要性についてもきちんとお話できました。

小室さんと楽屋でお話していた時に、「おばちゃん力」の話になり、女性ってすごいんですよーーーって話をしてたんです。

結局、途上国も日本も変わらないですね。エンパワメントが必要なんだな、とつくづく思います。

今回もNHKにださせていただき、本当に勉強になりました。

やはり、中谷さんの掴む力がすごくて、的確で、本当に勉強になると同時に、色々助け舟を出していただきました。なごむ雰囲気を持っていらっしゃるだけでなく、とっても幅広い知識がその場でぽんぽんとつながっていく楽しさは、ご一緒していて、すごいと思いました。

それから野田さんのファシリテーションと番組の盛り上げ方には本当に学ぶところがありました。うなずき力という言葉を友人から聞いたのですが、野田さんは本当に話しやすい場を作り、アイデアを引き出す人です!

関口さんはものすごく難しいことを「咀嚼する」素晴らしい方で、直前までかなり難しい経済トークをされていたのに、番組になった途端、からりと分かりやすい内容でお話される。

こういうコミュニケーションは、実は全部現地で使えることだなあ、とつくづく思いました。

現地のBOP層と話す時に問われるのは、このコミュニケーション力です。

ともすると、タコツボ化しがちなこの問題ですが、なるべく、お茶の間にも分かりやすくすることが実は重要なんです。

実は、日本企業は色々な試みをしています。でも、それを大々的に広報できない裏側には、結構悲しい現実がありまして、「消費者の方々から、『貧困層に売り付けて、搾取してるんじゃないのか』と批判をされることがありまして…」という実態があるのです。

実際にそういう電話や苦情もあるようですよ。

「えーーー?」

BOPビジネスの最前線を追っている一部のマニアックの人には驚きの事実ですが、世の中の多くの方がそう思っているところがありますし、メディアでもそういう取り上げ方が多い。

これはいかん、ということで、NHKの方ともずっとお話させていただきながら、BOPビジネスを収益性だけで見るのではない、企業が多面的な「ごりやく」を求める様々なやり方についてもスポットライトをあててください、とお願いさせていただいておりました。

先日あったNGOで働いている方も、結構「BOPビジネス」のイメージが限定的で、「こういうのがBOPだろ」という乱暴なヒトククリがあったりするのです。

で、そのイメージは相当古いBOPビジネスの話だったりします。日々追っているマニアックなメンバーには、「うーん、それってBOPビジネスってもう言わないかも…」という範疇のものをさしていたりします。

その前提で企業批判や政府批判をしたとしても、意味がないですよね。

BOPビジネスってIT並みにグローバルに進化が早いビジネスだから、日々追ってないと厳しいかもしれないですね。

というわけで、企業も政府もNGOも、

途上国に対する誤解も、BOPビジネスに対する誤解も、企業に対する誤解も、全て「危険なひとくくり」のせいかもしれません。

本当は、一つ一つのケースに眠っている、可能性を引き出していく作業をするのが重要と思ってます。ポジティブな面を多くしていく作業をしていきたいと思っています。

というわけで、NHK出演は初でしたが、みなさんも色々なところで発信して、企業がもう少しやりやすく、そして、ポジティブな面をたくさん増やしていく方向でBOPビジネスを広げていくように、力をください!!

一時帰国: カンファレンス第1報 写真を添えて

写真を取り込み終わったので、先日行ってきたBOP関連のプロダクトとビジネスに関する会議の内容についても皆さんにちょこちょことシェアしたいと思います。

(今は東京に一時帰国中ですが、すぐに帰ります!)

昨年からずっと行っている会議だったので、仲間も多く、いろいろと情報をアップデートしてきました。しかし、思ったより進みが遅い。その一方で、進みが早いところもある。

一番面白かったのは、昨年問題になっていたことが、今年は解決する技術をDevelopできていたこと。(コスト的な面はまだみたいでしたが)面白かったです。

そのひとつが具体的な農村地域でのビジネスモデルの中にCDM(CO2をクレジット化して売ることができるクリーン・デベロップメント・メカニズム)を取り込むという考え方。

これは実はDue Delligenceがばかにならないコストになるうえ、相当細かいところまで計測する必要がでてくるので、「うーん」という代物で、昨年、今年の夏ごろまでは、ちょっと事業化できるめどはほとんどなかったものでしたが、技術革新のおかげでローコストで計測できる状態になりつつあります。

その障壁が取り払われるだけで、相当な発展が見込まれる、と思っていたので、これはすごい!と思いました。

これから普及の段階に入っていくと思います。

こうやって技術者がわくわくしながら障壁を乗り越えつつ、その先にあるビジネスがきちんとスケールアウトできるモデルなのか、という二つの流れがきちんと整合することが重要です。

日本ではやはり技術側に関心がいってるのですが、ビジネスモデルのケースに関する知識があまりに少ないかもしれませんね。

基本的にはBOPビジネスのすべては、ビジネスモデルをどれだけうまく現地に適用した形で継続させられるかというところにかかっていて、技術はそれと同時期に少しずつアジャストしていけばいいのですが、そのあたりの感覚が少しずれているかもしれません。

あと、多くの多国籍企業のBOPデザインやプロジェクトの開発担当者とも話しましたが、みなさん四苦八苦でした。やはり。

特に、多くの方と話していて思ったのが、

「問題は会社の外にあるのではなく、中にある」という

感覚は、日本企業だけではないんだという発見です。

日本で、日本企業の多くの方からいただいていた悩み相談のほとんどは、「社内でBOPビジネスを展開することへの将来性を認識してもらえない」というものでした。

それとまさしく同じ悩みを抱えながら、フィリップスもシェルもみな事業を少しずつ進めていました。

「苦しみは喜びより常に先に来る!!!!」

もう苦労にまみれた感じのフィリップスの方も、笑いながらおっしゃっていました。

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カンファレンスは決して大きくありませんが こんな感じ。

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ブレストのワークショップもありました

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アフリカでのライティングに関して

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プロダクトに群がるデザイナーたち

世界を変えるデザイン・・・やりがいのある仕事を。

以前、告知した本ですが、私は監訳だけの役割ですが、BOPビジネスや途上国のビジネスに関心がある方には、すごい面白い本なので、ぜひお手に取って見てください!

http://www.eijipress.co.jp/blog/2009/11/02/4725/

編集者の方と、この本について話した時に、これを世界を変えるものにしようという意見でまとまりました。笑

いや、「革命」をおこそう、です。

現在は、デザイナーたちが素材を選び、企業が生産し、

素材が大量に消費され、廃棄され、使われる世界。

消費、生産のサイクルが、膨れ上がっていく世界。

イギリスのCO2削減のコマーシャルを見ていると、「このおとぎ話にハッピーエンドはあるの?」と子どもが尋ねるCMがあるのですが、

まさに、「この世界にハッピーエンドはあるのだろうか」。

この世界をどう変えるか、は製品を作るデザイナー、そして企業が握っている。

この本はそんなことを伝えてくれています。

編集者のTさんと、この本をどうやって紹介していこう、と話した時、日本でなにかやりがいのある仕事をしようと思っている人たちを元気づけて行動させよう!という、とってもシンプルな目的に落ち着きました。

(私が勝手にそう思ってただけかもしれませんが… 笑)

そんな中、ブックファーストで5位に入ったそうです。

ありがたいことです。たくさんの方が読んで、なにかが変わるといいなと心底思います。

うれしい記事を見つけました。

http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/11/post-1105.html

それから日経新聞(11月4日夕刊)で書評で紹介していただき、5つ星をいただいたようです。

やはりデザイナーの方々の心にぐさぐさ刺さっていく内容なのだと思いますが、ものづくり、電気メーカーの方々からも色々な反応をいただいています。

日本人はやはりモノづくりに心が動く。

そして、実は本当にすごい技術を隠し持っているのだが、

それを、喜ばせたいと思う人のために使いたいと思っている。

そんな仮説があたったような気がしています。

再来週に、デルフト工科大学に行き、デザイナーのイローナと話をするので、「日本の人たちの心が少し動き始めるかもしれないよ、面白いことをおこせるかもしれないよ」と報告しようと思っています!