世界を旅する。人間らしく。Travel like a human…. Live like a human

Bed and Breakfast.

B&Bって日本では民宿でしょうか。

世界中を転々しながら仕事をし、色々な都市にちょこちょこ腰掛けて仕事をするノマド研究者にとって、とても興味深いサービスを発見したので、今日はご紹介。

その名も Air BnB (http://www.airbnb.com/)

来月行くカンファレンスの公式宿泊施設として紹介されており、(笑)米国ベイエリアの起業家連中からのお墨付きをもらっているサービスです。

 

自分の家の空いている部屋を世界中の人にBed and Breakfastとして提供する。

自分が旅人であれば、いろんな人の部屋を旅する。

そんな夢が実現するサービス。うちのパートナーが数年前日本でシェアハウスのビジネスをやっていたのですが、シェアハウスやノマド的な仕事の仕方を、イノベーティブな旅人的にできたら、と、そんなことをぼーっと夢想していたら、ほんの数クリックで可能にしてくれたサービスです。

 

同じようなことを夢想する人が沢山いるんだなあ、と、笑みがこぼれてやみません。

 

以前、似たようなサービスで、Couch Surfingというのがありました。

「自分の家のカウチを、世界中の旅人と交換する」

このAir BnBはカウチを卒業した人におすすめです。バックパッカーではないんだけど、通常のホテルには泊まりたくない。(仕事がある、とか、勉強がある、とか、もっと落ち着きたい人向け)だけど、地元の人と触れ合いたいし、その土地の普通の人の生活を感じたい。でも、バックパッカーは疲れるからユースホステルには泊まりたくない。そんな感じの人にはおすすめです。中には、完全にホテルと変わらないじゃない!というようなものもあるので、選び方次第ですね。

 

その家のホストがどんな人かしっかり分かること、どういう仕事をしていて、どんな話を夜一緒にできるか、どういう人が今まで泊まったか、どういうハウスルールがあるか、などが分かります。家主の趣味、好きなものなども分かります。また家によっては家主は一緒に住んでいない場合もあるので、その時はその家を独り占め、つまりウィークリーマンション的に使うこともできる。信頼と、効率の良いシェアの発想で成り立っているこのサービス、とてもスマートだと思います。

 

ロンドンにいる友達などには絶賛おすすめをしながら歩いているのですが、今度、このサービスを本格的に使おうと思っています。下手なホテルに泊まるよりも安全だと思います。それに、なによりも部屋のコンディションがホテルよりはるかに良さそうです。

 

そして、ロンドンのわが家にゲストハウスが1室、ひっそりとしているので、それを登録するかもしれません。

ロンドンで登録すると、プロのカメラマンが来てくれるそうで、来週、撮影をすることになりました。こういうサービスが無料であるということが、ビジネスモデルとしても面白く、この会社、なかなかやるなあーと、このイノベーティブな発想にわくわくさせられています。

 

最近、こうした「ソーシャルメディア」のコアの発想を、リアルの世界で実現するようなシステムを作り出す、スマートな会社が増えて来ていて、面白いなあーと見つけては使ってみて、楽しんでいます。

 

最後に、この会社を設立したアイデアマンのプレゼンテーションを。最初の30分で、ささっと作ってしまった、というエピソードは面白いですよ!

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BoP関係で役に立つMBAリスト?

毎年、サステイナブル系のMBAのカリキュラムなどを評価しているNet Impactから、Business Unusualという名前のMBAリストが公開されました。
http://www.netimpact.org/displaycommon.cfm?an=1&subarticlenbr=2288

私自身が、どのMBAにも行っていないので真偽のほどは不確かですが、確かに色々な研究をしていると目につくところが多々掲載されていて、数年前から、「どのMBAに行ったらいいでしょう」というご質問に関しては、すぐにこのリンクをお知らせしています。

BOPという言葉だけでなく、グローバルな経営、サステイナブルな事業を実現していく会社づくり、経営づくり、そういったものに興味のある方には良いプログラムもあると思います。大学によってはCSR寄りのカリキュラムが多いなあ、というものもあれば、ばりばり新興国で儲けてやるぞーというカリキュラムもあります。両方とも、戦略し次第、ということで、私はどちらも否定もしませんし、肯定もしません。両方のバランスがある方が面白い、または、自分はよりコチラ側に興味がある、コチラ側の理論を身につけたい、などの用途/目的によって、MBAを選ぶのが一番いいでしょう。

私はMBAホルダーでも何でも無いので、大きなこと言えないので、そういうあたりは他の方々にお任せしますが、基本的に多くのMBAを取りに留学される方々とお会いすると、MBAの資格が重要というよりも、人に会いに行く、人的な繋がりを作る、ということの価値が一生の財産だと思います。
ですが、1年ぽっきりや数ヶ月で各国を回るようなMBAだと、確かに人脈は作れますが、深い人脈かどうかは謎。ネットワークに入り込むことはできると思いますが、そこで心の底から尊敬しあえる戦友達に出会う、というbeautiful storyが必ずしもあるわけではないと思います。
なので、学校に期待しすぎず、自分で自分のネットワークを探索することを前提に、どんなところだったら探索し甲斐があるだろう、と探されるのがいいのではないかな、と思います。

私は現在oxford said business schoolのdiplomaコースを取っているのですが、このコースがイイ、というよりも、コースの内容、先生、それとタイミング、ご縁、それと拘束時間の少なさ(働きながらですから)が私には好都合だっただけです。
今、世界中の同じコースを取っているメンバーと、skypeで予習復習をしたりはしますが、このコースが終わった後もコミュニケーションを続けることになる人がどれくらいいるかは未知数だし、期待以上に少ないだろうなあ、と感じています。

一生の友達というのはそう易々と得られるものではない(人の性格にもよるでしょうけど)と思うので、それこそ、そこで共に旅をし、(学問の旅、人生模索の旅、恋愛の旅、ビジネスの旅などなど)共に時間を過ごし、沢山の経験を共有するしか得られないのだと思います。

そして、なによりも、「BOPビジネスをやりたいのですが、MBAには行くべきですか?」とよく聞かれますが、アメリカの人材市場でBOPビジネスをやる(起業する、またはBOPビジネスに関わるようなサステイナブルな事業に力を入れている多国籍大企業に行く)のと、日本の人材市場で帰国してからBOPビジネスに着手しようとする、のでは、全くキャリアパスが異なりますので、よーく考えてから出発されることをお勧めします。

もう米国や欧州に行ってしまって数年帰ってこない、そっちで就職する、のであれば、BOPビジネスに関連したサークル(またはそういう人々の集まり)に頭を突っ込むのに、MBAは非常に役立ちます。ネットワークもそうですが、MBAがminimum requiredされていることも多いです。ですが、それはそれで全く日本の議論とは違う世界観があることをお忘れなく。
日本企業を元気づけたい、日本企業が活躍する場としてのBOPビジネスを考えたいんだ、という方は、MBAがいいのかどうか分かりませんが、とにかくinternational businessに関係する実務をどんどん身につけるべきだと思います。ケーススタディを学んで、高尚な議論ができるよりも、とにかく実践、地に足をつけていること、交渉の場での経験値、叩き上げた英語、途上国での過酷な状況下での交渉、途上国の人材を雇ったり動かしたりできるリーダーシップ力、こういったものが必要です。そして、これらは別にMBAで習うものではなく、足で経験値を作って行くことしかないと思います。MBA留学はそういった経験値を作り出すためのネットワークを与えてくれるかもしれませんが、卒業後のお話だと思います。1ー2年の留学だけで、日本のグローバル戦略市場で役立つような経験値はすぐには積めないのではないかな、と思います。なので、その人が、その経験をどう生かしていくかに関わっているということなんだろうなあ、と思います。それが私自身はMBAを選ばず、現時点では働き続けることを選んだ理由の一つです。

私がMBAについてはあんまり何も言えない分、サンダーバードに留学中の友人(夫馬くん twitter @fumanofuma)のMBA指南をご覧いただくのをおすすめしています。
とっても役立つので、是非ごらんくださいね。
http://twitter.com/#!/fumanofuma
http://wag-study-abroad.com/wordpress/

メディアと政治にみるフォローワーシップの問題

日本に帰っている間にあっというまに大波乱になっていたマードック氏と政治の癒着について、今更ながら情報を追っていた。
マードック氏の「メディア帝国」はセレブの盗聴を元に拡大していた、そして、そのメディアの影響力がキャメロン首相さえもすり寄らざるを得なかった、という事態。様々なリポートがまだ出て来ているので、事態は収まったわけではないだろうが、ここでいつも常に考えさせられる問題について考えてしまう。関係記事(nikkei 西日本新聞 IBtimes  )など。

 

メディア、見ている側、そしてリーダーたち。

日本帰国時に、TBSのプロデューサーの方とも話す機会があった。KWCという素敵な場で、全く関係ない話から、リーダーシップの話まで、みなで食事をしながら話しつつ、気づけば誰かがプレゼンし、気づけば誰かが皆に質問し、本当に豊かな時間を過ごした。

3月から7月に至るまで、日本のメディアは本当に走り続けていると思う。
その一方で、本当に語られるべき内容が語られていない、いや、日本のテレビ局(特に民放)は、日本の聴衆をあまりに過小評価しているのではないだろうか、という話になった。
難しすぎるから簡単に、お茶の間向けに、専門家ではなくバラエティのタレントが解説して楽しく、深刻な問題を深刻に見せないようにする、、、、
そういう動きが制作の現場で強く働いているのは知っている。

それで本当に語られるべき内容が語られるのだろうか。

久々に日本のホテルでチャンネルを回してみて、見たい番組が一つもないことに気づいた。前よりもひどくなっているような。

これで、多くの有識ある若者たちや意見を持つ人々がテレビから離れるのももっともな話。そして、Ustreamやオンデマンドなどのオンラインのサービスに移って行くのも当たり前。

そしてさらにテレビは残った観客達を喜ばせることに熱心にならざるを得ず、深刻な問題を深刻に見せず、明日の苦労を苦労とは言わず、簡単に分かりやすく、ちょっとのことだけを載せる媒体へ、と変わって行ってしまうのだろうか。

一方、マードックのことも思い出しながら、次の言葉がディスカッションの中で浮かんで来た時、これも深刻だ、と思った。

マードックはセレブの盗聴を「売れるから」やり続けたのである。
イギリスの聴衆のレベルが、マードックの行為を必然的に作り出したように、日本の聴衆のレベルが、テレビ番組の品質劣化を生み出している、とも言える。視聴率が上がるから、という理由でテレビ番組の全てのコンポーネントが決定されていくのだ。

リーダーシップの問題とも絡んでくる。
リーダーシップには常にフォローワーシップというものが着いて回る。
リーダーとなるべき人が、潜在的なリーダーシップを存分に発揮するには、周囲の人々によるフォローワーシップが重要なのである。

(私には日本の菅首相に対して辞任を要求する人たちの気が知れない。民主制というものは自分が投票した相手でなくても、最終的に選ばれた人をサポートするシステムのはずだ。特に、私が最も信じられないのは、民主党の内部の議員が、菅首相辞任を要求するという行為だ。矛盾はなはだしく、フォロワーである自覚がみじんもない。自分の信条にそぐわないのであれば、党内で解決すべきであり、また、彼を首相に選ぶ前に解決すべきである。最初はサポートしていたのであれば、最後までサポートすべきである。それがモラルであり、work ethicsではないのか?)

フォローワーシップについては、政治だけでなく、これはメディアと聴衆の関係にも似ている。視聴率は投票であり、セールスである。
そしてこれは企業と消費者の関係と同じだ。購買は投票であり、売り上げである。

ここで、一つ考えることがある。BOPやサステナビリティばかりをやっているからかもしれないが、企業が次の世代へLeap(飛躍)しようとする際、desruptive(破壊的な)イノベーションが必要となることを思い出す。
次の時代を提示し、その世界へ向かって消費者を促すことをする。それがリーダーシップのある企業であり、ビジョンのある企業なのだと思う。
日本の高度成長期に企業が躍進して来た背景には、消費者たちに正しい情報を与え、消費者たちを教育し、消費者たちに選択してもらう、というパスを持っていたからだと思う。

アーリーアダプターが多い日本のマーケットは、こうした先を示し、消費者を引っ張って行く力は大きなブランドになる。

一方で、テレビ番組を作る側には、「消費者教育」をするという「責任」はないのだろうか?Responsibility = Respond + abilityと以前、北欧の会社の人にいわれたことがあるが、自分達が接している消費者に対して「反応すること」が求められている、ということだ。
一方通行の会話ではなく、対峙する消費者と会話して番組を作ることであるが、これは様々な形で持ち込まれているように思う。(デジタル放送から始まり、twitterなどとの連動?)本来なら視聴率もそうなのだが・・・。
テレビはスポンサーがセールス相手だということも、悩ましい問題だ。反応すべき相手が違うから、こうなってしまったのかもしれない。

いずれにしても、日本のテレビの劣化は社会問題の一つではないかと思う。そして、テレビという場におけるパフォーマンスが良い人ばかりがもてはやされる風潮も本当に危ない。1度のミスが何度もテレビで取り上げられ、失脚する政治家たち。フォローワー達の忍耐やサポートや信じる力が少なければ、そのリーダーシップを発揮するための場も醸成されない。

イギリスでも問題は深刻だと思うが、日本はこの深刻な問題が大きな事件となって吹き出すことなく、静かにさらに悪化していることが怖い。

俳優のヒューグラントがインタビューでこう語った。

「what have you done to our country?」 (マードックさん、あんたは私たちの国に何をしたんだ?)

同じ言葉が今の日本のテレビ番組の中で笑っている俳優やタレントたちから聞くことができるだろうか。

エンジニアの方、カンボジアへ1年いかが? HCD Innovation Lab Fellow

IDEカンボジアのMariko から素敵なお知らせが届きました。

以前よりIDEでは「人間中心デザインのイノベーション」に関するファシリティを作り、様々な企業とのタイアップや製品開発に関する事業を進めて行くことを考えていました。IDEカンボジアの代表のマイクは、エンジニアとしてのキャリアも長い上、経営手腕も巧みで、こういうことを実際に事実にしていく推進力があるリーダーです。

その彼の元で、以前よりファシリティ作りを積極的に推進していたのが、マリコさんで、彼女から色々なインタビューを受けたり、実際に企業とこうした製品開発をしていくにはどうしたら一番いいか、という点について、何回か議論を重ねて来ました。
その彼女から、とうとう、IDEではHCD LAB を作ることになったというお知らせ。

そして、さらにエキサイティングなのが、今回、このラボ設立にあたり、フェローを2名募集しています。まず2年以上のエンジニアとしてのキャリアがないといけませんが。
・エンジニアリングの学歴をお持ちの方(またはそれに近い経歴)
・2−4年間HCDの文脈にそった技術開発に携わった方 (日本だとこれが少ないかもしれませんね)
・そのうち、2年以上は製品開発に携わっている方
・金属、木材などを扱えてプロトタイプを作れる方
・製造業プロセスを経験している方
といった経歴なので(他にも条件はあるのでファイルをみてみてください)

該当する方が多いかどうかは分かりませんが。

もし応募したいという方、彼女に直接コンタクトとられてもいいですし、

私に連絡していただければ色々聞きますよ。

FELLOWSHIP: Human-Centered Design Innovation Lab Fellow

Interested in designing extremely affordable innovations to tackle problems that are of life-and-death importance?

We are building the first Human-Centered Design Innovation Lab in Cambodia. And we need you to help us launch it. IDE is looking for a design-thinker, with 2-4 years experience in mechanical engineering and product development. You will be the lead mechanical engineer on a multi-disciplinary team, based in Phnom Penh for a 1-year Fellowship.

This is an opportunity to work on real-world problems alongside a close-knit, international, top-calibre team. You’ll wear many hats, including that of a coach, to grow HCD in Cambodia. You will have a rich experience that will touch the lives of those who most need life-changing opportunities. And at the end of the year, if we see a mutual fit, you’ll be offered an opportunity to stay on as full-time Leader at the innovation-Lab.

For full details, including how to apply, please download the position description at http://www.ideorg.org/GetInvolved/Cambodia_HCD_fellowship.pdf

ポール・ポラック「世界一大きな問題のシンプルな解き方」来週出版、その背景

Out of Povertyの ポールポラック、と言って、分かる人は、BOPマニアック度が高いに違いない。もの作り系の人には、たまらない面白さを提供してくれる話者、実践者、そしておじいちゃんである。

今、BOPビジネスを考える人たちに、ちょっといいニュースがある。それはこのおじいちゃんの本が日本語化される、ということだ。つまり、ようやく「本物の」コミュニティとの恊働するイノベーションに関する書が日本語となって、出版される。

Out of Povertyは、International Development EnterpriseというNGO を創設したPaul Polakの著書。その日本語版が来週日本でも発売される。

「世界一大きな問題のシンプルな解き方」

 

私もあとがきを書かせていただいたので、是非ごらんになっていただきたい。

日本での様々な文脈からアプローチされる、多様なBOPビジネス論がわき起こる中で、何か勘違いされているのではないか、という危惧をぬぐい去れない時期が、この1年ほど続いている。

今まで日本語で出版されたり、雑誌に取り上げられたBOPビジネスの書籍は、ほとんどがビジネススクールサイドの議論をカバーするもので、研究者、アカデミックが執筆したものが多い。ケーススタディはほとんどがそうだが、本当に語られるべき詳細が簡略化され、美化されやすいモデルへと昇華されてしまっている。BOPビジネスを語る分野において、「本当に現場に行って、コミュニティと暮らし、ビジネスを作り上げてきた実践者」が書く、リアリティのある書籍が一切ない。(本当に、全くない、と言っても過言ではないと思う・・・)だから、議論も偏る。英語でネットで探せば、山のようにあるが、日本語の書籍で得られる情報は本当に偏っていた。

これは私の感覚的な危機感だったのかもしれない。だが、MITの遠藤さんも似たような危機感を持っていた。二人で、今の議論はちょっと違和感を感じますね、という話をしていた。

二人とも、ポール・ポラックということで繋がり、そして、すぐに「この本が日本に今すぐにでも出版されなければいけない」という、強い共通の危機意識を持つにいたった。そうして、日本語化を考えていたのが、ちょうど1年前だった。遠藤さんから相談を受けたころ、私も英治出版の高野さんに無いものねだりで「この本は面白いですよ」と話していた。

いろいろ紆余曲折はあったのだが(一時は出版は遠いかな、という話になり、遠藤さんはご自身で日本語訳することを考えていた)結局、英治出版さんで出版していただける運びとなった。ポールに日本語出版する際に前書きを1章追加してもらうというところも、私と遠藤さんとポールで画策した。最初は専門書で読みにくい、という扱いだったが、さすが英治出版さんは学校のテキストとしても使えるくらい読みやすいものに仕上げてくださった。

 

今回、この過程で得られたのは遠藤さんとスカイプで色々話した時間だった。最初の構想段階から、誰よりも熱い熱意をもってこの本の出版を推進して来た、遠藤さんの寄稿を読むのも楽しみだ。(実はまだ遠藤さんの原稿はシェアされていないので、読んでいないので楽しみである)こういう機会でもない限り、ボストンにいる遠藤さんと色々思想や感覚的なところまで、シェアする機会は持てなかったと思う。大変ありがたい機会だった。

英治出版のみなさん(今回は下田さん、そしていつも通り、高野さん)も本当にご尽力いただいて、震災後のばたばたの中でも色々と真剣に議論につきあって頂いた。特にタイトルや一言一句、著者でもないのに文句を言う私や遠藤さんに、最後までしっかりと議論につきあっていただいたことに感謝している。

 

本当におつかれさまでした!

この本が出たことで、日本の中で一つ違う議論のあり方が生まれることを期待しています。

 

ポールと会った時のことは、そのあとがきにも書いた。

非常にハートウォーミングで、今でも心に残るやりとりがあった。私が今、常にに悩んでいることについて、彼と話すことができたのは、非常に面白い経験だった。現在の、BOPビジネスに関する流行廃りの著しさなどへの懸念、コミュニティをしっかりと見る人が少ないことへの危惧、それぞれを真剣に語り合いながら、今後世界はどういう方向に転がって行こうとしているか、そんな話をした。

彼に、私がしているプロジェクトについても話をした。新規事業として、イノベーションとして捉えること、コミュニティに長期足を運び、発想を豊かにしていく過程を作り出すこと。

私が現在実践している、こうした試みは全て、ポールや様々な研究者や実践者からアドバイスをもらいながら、だが、日本企業や日本の組織が受け入れられるサイズ、概念に沿って、プロジェクトをデザインしている。そのため、無理を最小限に抑え、着実に次を作り出すことが出来ている。この「塩梅」が非常に難しいのだが。

「どうして詩野は、そういう(一緒に理念を共有して働けるイノベーティブな)企業を見つけるんだい?」と言われたので、大変でした、と伝えた。(というか、今もまだ大変です。)そう簡単に、多くの企業は「イノベーション」という言葉を信じてはくれないし、people’s powerを信じてはくれません。ただ、信じることができるイントラプレナー達に出会えるからこそ、こうしたイノベーションが起きる過程を作り出して行くことができるのだと思います。そんなことを話すと、目をきらきらさせながら、「そうか、日本のイントラプレナーか、それはいいね!」と頭の回転が高速で始まる。「それなら、IDEのあのプロジェクトと、、、、、」と今度は自分達のフィールドで、企業と連携することで面白いものが生まれそうなプロジェクトを頭の中でひねくり回し始めた。

とても御年77歳には見えない。

 

その彼が、TEDで4月に「新世代の企業」について語っている。オールドファッションな物言いもあれば、彼らしいウィットにとんだ見方も入っている。

ここまで多くの企業人に尊敬を集めた、ポールならではの、非常に真摯で辛辣で、丁寧で、嘘のない、企業に対する次世代への喚起と警鐘。

 

 

そしてこのビデオの最初の一言。「18歳のバージンの脳みそと、77歳の体。」まさに、ポールポラックそのもの。これからポールとIDEのスタッフ達に、日本版が出るよー!とメールをするのが楽しみでしょうがない。

 

「Farm:」の動きとロンドンのコミュニティ自身による再開発

先日会ったAshoka Londonの人やUKのサステイナブルデザイン関係のデザイナー達と話していた時に、面白い場所を教えてもらった。

その名もFarm: SHOP(「ファーム、コロン、ショップ」と読む。)

なんだか話を聞いていると、魚が泳いでるだの、カフェなんだけど、鶏が屋上にいて、その子たちの卵のご飯が食べられるだの、色々言っていて、「なんだなんだ?」と想像が付かなかった。しかも、水が流れていて、水槽の藻で浄化されるから、完全に「循環型」のカフェだという。その一帯には社会起業家関係のアントレプレナーが多いので、彼らと話をしてると、「よくそこでカフェ仕事するんだけど、水は流れている音は聞こえるし、コーヒーのみまくるから、おしっこに行きたくなってたまんないんだ」と爆笑していた。

そこで色々googleで検索しても出てこないので、もう一度リンクを送ってと聞いたら、こんなのが送られて来た。

Farm:   http://farmlondon.weebly.com/index.html

情報は少ないけれど、非常に面白い。色々考えさせられつつ、こういうアイデアを実現に移す人たちについて考えてみた。

イギリスで結構多いのは、「古くなったものの上に植物植えてアートにしちゃおうぜ」という動きである。このファームショップを運営している「something&son LLC」もそういうことばかりしている人たちの集まりである。ゲリラガーデニングもそうだし、Capital Growth(ロンドンでどんどん木を植えるキャンペーン)という動きもそう。植物は強い。とにかく植えればいいのだ、という考え方だ。東京では、「アスファルトが多くて木が少ないから、夏暑いんだよ」と文句を言う人は見かけるが、勝手にどんどん種を植えてしまえ、とか、どんどん育てようぜ、というゲリラ的/かつ/コミュニティ的な動きが少ない気がする。(いや、気軽に出来ないだけで、やっている人はいるのかもしれないけれど。)
ロンドンでは「次のロンドンへ」ということで、全体的にサステナビリティに関するコミュニティの活動は全面応援状態だ。多少、迷惑になることがあっても、仕方ないよね、と後ろ指はさされない。それから、木や植物というのは、一定の「コモンズ(commons)」として捉えられている感もあるし、「publicな場所というのは基本的にcommonsの一部だ」と捉えられている感もある。だから、植樹できそうな場所も沢山ある。むしろ、自分の家の庭を植樹用にcommonsに提供して解放します、という動きが、ある意味、ロンドナーとして意識が高い人、という風にも捉えられている。解放された場所は、市民農園的に地域のコミュニティに使われて行く。そういうコミュニティからのニーズが強いから成り立つという部分もあると思うが、私有と公有、共有の境目が、意外と曖昧な瞬間が多く見られるのがロンドンの面白いところである。

で、話はそれてしまったのだが、ファームカフェ。まだ行ってみたことがないので、6月中に遊びに行く予定。

このプロジェクトはhackneyと呼ばれるロンドンの中でも最貧層/移民層が住んでいる地域で、Ashokaもそういうところにオフィスを構えているらしい。こういう点は、高く評価したい。こういうのこそ、ローカライズというものである。

この日、会ったashokaのスタッフのCは「あたし、仕事はハックニー、家もハックニー、プロジェクトもみーんなハックニーで、ほとんどハックニーを出ないわよ!がはは!」と笑っていた。ハックニーの学校プロジェクトをしていて、子どもたちにクリエイティブな発想を与えるための色々な教育を提供しているらしい。そういうプロジェクトをAshokaが自分達で、コミュニティをサポートしながらやっていく、という形はとてもいい、と思った。

で、農園の話に戻ろう。ハックニーには有名な「 City Farm」があり、金融街のバンクを一望できる場所(といってもハックニーだが)に、農園があり、解放されている。ここで、上にあげた、Capital Growthなどのトレーニングコース(一般市民が参加する植物の育て方講座)も実施されている。

ロンドンは都市開発を必要としている。再開発というよりも、新しく生まれ変わるために。
ハックニーは今オリンピックの施設建設が進行している地域にも近いのだが、ハードインフラの再開発ではなく、このコミュニティ側からの再開発の意識が強いのも、素晴らしいことだ。中には沢山問題もあるだろうが、住民からの熱意・行動(そして、もしかしたら多少の今までに対する怒りもあるだろう)が、きちんと結実している。そして、それを柔軟にロンドン市が受け入れ、サポートしている。この動きというのは素晴らしい。

ボリス(ロンドン市長)さんは、「ボリス・バイク」と名前がついてしまった政策、自転車でみんな通勤しようぜ計画を打ち立てた人で有名で、本当に面白い。(自分をパロディ化したコミックで自転車通勤を推進するという面白いことをやって、それ以来、ロンドン中に駐輪している市民が使えるバイクは「ボリス・バイク」と呼ばれている。実際彼も自転車通勤をしているらしい。)
彼や現在ロンドン市の運営に関わっているブレインたちは、柔軟にコミュニティをどう生かし、そこから湧き出てくる潜在性をどう活用するかを、よーく分かっているなあ、と思います。そして、そういう学問やそういう研究も、深く進んでいるのがこの国だから、ということもあるかもしれないが。(日本だと市民社会論やコミュニティ論、アソシエーション論は、「左」のお墨付きをいただいていて、アカデミックではなかなかビジネスとは結合しないのが基本。最近は変わって来ているかもしれませんが。)

ロンドンは代々、市長は シティ・ユニバーシティの学長も兼任するのだが、基本的にはこの大学は金融街で将来的に働く人たちが行くビジネススクールのようなプラクティカルな大学である。こうしたビジネスと公共、ビジネスとコミュニティに関する知識が蓄積されて、かつ、実践に移すことができるという仕組み。こうしたところから、面白いイノベーションが沢山生まれて来て、それを柔軟に実施するロンドン。そして、それをクールだと思うリーダーシップ層が多いというロンドン。もちろん、最初からその循環がデザインされていたわけではないだろうが、少しずつその努力が行われて来たし、そういった大きなデザインが必要であるということを理解するブレインたちがいるからこそ、実現しているのだろう。

そして、こういう動きを作り出そうとするリーダーシップ。シティの金融街で働く人たちにも、こうしたものをイノベーティブだと考えて支持し、クールだと思う、というマインドセット。(もちろん、そうではない人は山のようにいますが、基本的には一定のクラスの人たちはこうした公的な貢献をクールだと考えていると思います。)

こういうユニークなリーダーシップのあり方が、日本の東京都知事にも必要だと私は思っているんですが、現在だと駄目ですね・・・。

ロンドンで水上生活をする人たち BOATERS

ロンドンにはボートで住んでいる人たちが結構いるらしい、ということは知っていた。それに、定年した後にボートに住みたい、っていうムーブメントがあって、(多分安いからかもしれないし、ちょうどその世代はかなりヒッピー世代だということもあり)ボートに定年後に住むカップル特集などもテレビで見たりしていた。

でも、この人たちの生活の実態がよくわかっていなかった。。。。。

ので、たまたま先日パディントンから少し行ったところ(小林さん宅の近辺ですが)のリトルベニスでボートコミュニティを発見。結構、普通に生活していて、横の歩道を歩くと、生活感まる見えである。なかなか素敵な住まい。

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何がいいって、この川縁に結構パブがあるということも。行きつけのパブに自分の船で行けたりするのだろうか。よっぱらい運転をしたら、警察に捕まるのだろうか?

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リトルベニスに住む、ボートコミュニティ(ボートに住む人を、BOATERと呼ぶらしい)の規則が書いてある。このあたりに止めてはいけませんよ、とか、このあたりにトイレと水と充電がありますよ。など。

なかなk普通のコミュニティには見られない規則もあるので面白いなと思ってみて見る。結構、川の上流も下流も、相当の範囲で移動が可能だし、その範囲で好きなところに停泊できる。これは楽しいに違いない。

え、そういえば、充電って言った?

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まるで電気自動車EVを彷彿とさせるような、プラグによる充電式。どのくらいの蓄電池を使っているのだろうか?おそらく、充電ステーションの近くに停泊して充電するらしいのだが、どのくらいの頻度で充電し、どのくらい混むのだろうか?

ロンドンでも、デザイン関係の人たちと会った時に、トイレからメタンガスを発酵させて発電にする小型発電機付きトイレ、というのを開発した人がいたらしく、Loo Wattという名前をつけたらしい。(Looはトイレ、wattは電気のワット)

それを使ってくれる人があまりロンドンでいなかったので導入先がないな、と思っていたところ、このBoatersが喜んで、ボートコミュニティで使われ始めているのだとか。

どういう人たちが住んでいるのか気になるところ。今度もう少し深く掘り下げてみたい。